物語文は感情移入しちゃダメ!
先日、物語文が苦手なJ君のお母さんからこんな相談を受けました。
「うちの子は読書はしているし、物語文も好きなんだけど、
なぜか物語文の登場人物の気持ちにうまく感情移入できないのよね。
だからいつも読み間違いをして、点数を落としてしまうの。」
Jくんは中学受験をする予定の小学6年生で、現在四谷大塚系の塾に通っています。
お母さんがおっしゃる通り、国語の物語文が特に苦手で、国語の偏差値はいつも40から45と低迷しています。
さて、ここで読解力改善のワンポイントアドバイスです。
物語文は登場人物の気持ちに感情移入しちゃダメなんです!!
「?????」
解説していきます。
物語文というのは「登場人物の心情を正確に読み取ること」が求められます。
そして登場人物の心情というのは物語の文中に表現されています。
決してお子さんの心情を聞かれているわけではないのです!
それにも関わらず
「この場面なら僕はこう思う」
「私ならこんな行動をするわ」
と感情移入していくと、物語に書かれていることから離れていき、自分自身が主人公の別の物語になっていきます。
また、物語文の内容は・お子さんの経験を逸脱した世界観・全文ではなく抜粋文なので、そもそも感情移入することは難しいのです。
物語文において、Jくんのお母さんのように
「なんでこんなハチャメチャな答えになっちゃうの??」
と頭を抱えたことがあるお母さんは多いはずです。
多くの場合、感情移入が原因となり、読解のポイントがずれてしまった結果、間違った答えを導き出してしまうのです。
したがって物語文の読解においてはいかにお子さんの感情を排除し、客観的に登場人物の心情を読み取れるかが重要になってきます。
物語文読解のポイントは?
感情移入せずに客観的に物語文を読解するためには、物語文読解の三本柱を抑える必要があります。
「物語文読解の3本柱ってなに??」
それは
2、場面の変化(時間、場所、人の移動など)
3、会話文(台詞)
の3つです。
この3点さえきちんと整理できれば、物語文の読解力は飛躍的にアップします!
Jくんには上記のポイントを押さえる前に、まず、「会話文」と「地の文」を分けることをさせてみました。
「会話文」は登場人物が話した言葉(台詞)が書かれている文のことです。
一般的に「」で囲われている文のことなので、すぐにわかりますよね。
「地の文」は会話以外の部分で、会話文の補足や説明の役割を持っています。
実はこの地の文が重要です。
会話文だけでは「場面」や「登場人物」が特定できない場合が多く、これらについては地の文から読み取る必要があります。
地の文の読み取りができて初めて、場面や登場人物がつかめ、会話文の中から登場人物の心情を正確に読み取ることができるのです。
登場人物の整理しましょう
実はJくん、会話文の台詞の主が誰かわからないままに文章を読んでいたため、内容がちんぷんかんぷんになっていました。
そこで「登場人物の整理」をしてみました。
まず、登場人物一覧の書き出しです。
そして、主人公に印をつけさせました。
地の文の役割は会話文の補足ですから、会話文の前後の地の文をチェックすれば、登場人物の整理は容易にできます。
あとは、会話文の台詞の主を整理するだけです。
特に主人公の台詞には注目です。
当然ですが、主人公を中心に話は展開するので、主人公の台詞さえつかめれば、物語文の概要はつかめてしまうんです!
物語文の文脈は場面の変化で変わる
Jくんは物語文の文脈を読むことにもつまづいていました。
原因は場面の変化の読み取りができていなかったからです。
物語文においては、接続詞だけではなく、場面の変わり目で文脈が変わるんです!!
そこでJくんにはパターン別に場面の変わり目を読み取る練習をさせてみました。
時間の変化で、場面は変わります。
朝・昼・晩など直接的に時間が表現されることもあれば、天体の動き(月が出た)など、間接的に表現されることもありますので、注意が必要です。
2、場所の移動
場所の変化での場面は変わります。
人が移動した場合など、多くの場合は地の文をチェックすればわかります。
これは比較的読み取りやすいと思います。
3、人の増減
実はこれが意外な落とし穴になります。
例えば、「彼は教室から出て行った」というように、人の増減に関する描写は、時間が経過したことを表しています。
ですから、彼が教室から出て行く前と後とでは別の場面の扱いになります。
会話文から登場人物の心情を読み取りましょう
「そういえば、物語文の読解って何が求められるんだっけ??」
物語文の読解は「登場人物の心情を読み取ること」が求めれます。
そして、登場人物の心情は、地の文を理解したうえで会話文を読めば、読み取りは容易です。
栄光学園平成20年の過去問で出ていた「雪の上の宝石(最上一平)」のある場面を例をあげてみましょう。
場面:子どもたちが、正月に父親たちが出稼ぎから一時的に帰ってくる話をしている場面。
本文:その話にさとるがとびついた。
「ナァナァ、おれんとこ三十日。」
このとき、上の会話文はさとるのどのような心情を表しているでしょうか?
「父親が正月に帰ってくることが待ち遠しい気持ち」
これが答えです。
このようにお子さんの感情を排除し、客観的に地の文が読み取れれば、会話文から登場人物の心情を正確に読み取ることができるのです!
中学受験本番において、論説・説明文から1題、小説・物語文から1題ずつ文章読解の問題が出題されるケースは非常に多く見受けられます。
物語文の読解が正確にできれば、中学受験における大きな武器を手にすることができるといっても過言ではありません。


