海城中学校 過去問分析
海城中学校は都内男子校のトップ校の一つで、御三家を追いかける位置にある人気校です。 「フェアーな精神」「思いやりの心」「民主主義を守る意思」「明確に意思を伝える能力」をもった「新しい紳士」の育成を教育目標に掲げてます。 また、かつて海軍予備校だったこともあり、武道必修の文武両道校となっています。
算数 〈時間:50分、 満点:120点、 難易度:A-B〉
海城中学校の算数は、試験時間が50分、満点が120点、設問数は15問前後となっています。 問題構成としては大問1が計算と一行問題となっており、大問2以降は小問を2、3問含む応用問題という形式です。 全体的に思考力、判断力、推理力などの力が求められる問題が多く、試験時間が50分といっても、決して十分な時間とはいえませんので、時間配分を考える必要があります。 内容をみていくと、大問1の計算については小数・分数を含む四則演算、還元算を使って□を求める問題、工夫が必要な計算など、やや複雑な問題が出題されます。 一行問題では図形の角度・面積、規則性、場合の数、概数などから出題されます。 大問2以降の応用問題については図形が中心となり、毎年2、3題出題されます。 図形については平面・立体の求積問題はもちろんのこと、辺の比や面積比、点の移動と面積、立体の展開図、水深変化の問題など様々な角度から図形の力を問われます。 また図形以外の問題については場合の数、規則性などの数の性質を中心に、食塩水の濃度や速さ、速さ、流水算、消去算、分配算、推理算などの問題がよく見られます。
海城の算数攻略については計算力の養成が大前提となります。 計算問題だけでなく、応用問題を解く上でも計算力は必要不可欠です。 毎日の学習計画を立て、日能研の「マスター計算問題集」などの問題集を一冊やり込んでください。 その際、「途中式を書くこと」と「時間を決め取り組むこと」を心がけてください。 海城の算数では途中式を書くことは求められませんが、途中式を書く習慣をつけることによって、ルールを守って解くことと常にどこでミスをしたか気づくようになります。 また、試験本番では時間が決まっているため、緊張感の中で問題を解かなければなりません。 普段から時間を決め、緊張感の中で問題を解く習慣をつけることによって、計算ミスは減ります。 応用問題については「図形」がポイントです。 様々な角度から問われるので、「点の移動」「展開図」「水深変化」など図形問題の幅広い解き方を身につけ、割合や比を利用する解き方まで身につけましょう。 「数の性質」では基本を一通りマスターし、その上で様々な角度から考える思考力や論理的な思考力を養いましょう。 公式が使えない場合に、自分なりの解法を導き出せるか成否の分かれ目になります。 特殊算については四谷大塚の「四科のまとめ」などのテキストで、基本的なパターンを一通り押さえ、速さについてはグラフと絡んだ問題まで押さえておきましょう。
(合格点目安 1回目55-60%、2回目55-60%)国語 〈時間:50分、 満点:120点、 難易度:A-B〉
海城中学校の国語は、試験時間が50分、満点が120点、文章読解が2題出題される構成となっています。 解答形式については選択式を中心に、適語の記入や書き抜き、記述などとなっており、特に記述については100字程度で考えをまとめさせるものがあり、読解力だけでなく、表現力も問われます。 文章読解の題材については、小説・物語文から1題、論説・説明文から1題出題されます。 小説・物語文では高学年向けの話題作が取り上げられることが多く、状況や人物像を把握し、登場人物の心情を捉えることが求められます。 また、表現技法や段落分け、並び替えの問題も出ます。 論説・説明文については世相を反映した文章がよく取り上げられ、接続詞の補充、指示語の理解、内容の理解を記述にて試す問題などが見受けられます。 知識問題については文章読解に組み込まれた形で出題され、言葉の決まりやことわざ、語句の意味や漢字の書き取りなどが出題されます。 知識・読解力・表現力といった総合的な国語力が求められるため、ごまかしのきかない試験だといえるでしょう。
海城の国語については記述のボリュームが大きいため、記述の対策が必要不可欠となります。 とはいえ、記述力の前提となるのは読解力です。 まずは正確な読解力を身につけましょう。 読解については普段から本だけでなく、教科書の文章や新聞、雑誌などに慣れ親しむ習慣をつけてください。 特に本校については話題となった本や、世相を反映した文章が題材として取り上げられる傾向がありますので、タイムリーな文章に数多く触れてください。 そして普段から「出典チェック」「指示語の理解」「接続詞の理解」「意味段落分け」などのポイントを押さえた学習を行い、内容を正確につかみとる力を養ってください。 また小説・物語文については上記のポイントに加え、「登場人物の整理」「場面の変化(時間、場所、人の移動など)」「会話文(台詞)」を押さえた学習を行うと、かなり内容がつかめます。 その上で記述対策のために、本や新聞、テキストの問題文を読んだ後に読後ノートをつくるとよいでしょう。 小説・物語文ならあらすじや登場人物の心情をポイントを押さえた感想、論説・説明文なら主題の要約を中心に自分の考えをまとめる習慣をつけ、記述力を養成しましょう。 知識問題については積み重ねが大事ですから、毎日の学習スケジュールに組み込んで、計画的に問題集を一冊こなすようにしてください。 机の上での勉強だけでなく、普段から漢字の読みや意味、言葉に関することの疑問を持ったら、すぐに辞書を引いたり、人に聞く習慣をつけるようにしましょう。 普段から国語に興味を持てるような環境作りも重要なポイントです。
(合格点目安 1回目50-60%、2回目50-60%)理科 〈時間:45分、 満点:80点、 難易度:A〉
海城中学校の理科は、試験時間45分に対し(満点は80点)、設問数は20問程度、かつ記述式の問題や計算問題も多く、問題自体の難易度も高いため、時間配分には注意が必要です。 出題傾向については、「生物と環境」から1題、「物質とエネルギー」から2題、「地球と宇宙」から1題出題され、「物質とエネルギー」のウェートが大きくなっています。 分野別にみていくと、「生物と環境」「地球と宇宙」では胎児を題材に体のしくみについて問われたり、チョウの幼虫の細かい観察から動物のしくみについて問われたり、集中豪雨の時事問題をもとに気象について問われたりと、これまでの中学入試ではほとんど扱われなかった問題が出ますので、かなり高度な知識や理科への探究心が求められます。 「物質とエネルギー」では実験を中心に、電気、金属の性質、水溶液、力のつりあいなどが取り上げられ、計算問題が豊富に出ます。 さらに計算問題は高度な計算力が求められるため、算数が苦手な子には非常に不利となります。 また、グラフを作図させたり、実験結果の根拠を記述させたりと、抽象思考や論理的な思考が問われる問題も多く、真の実力が試されます。
海城の理科のように、実験・観察を中心とし、さらに他の学校ではあまり見られないような出題傾向の学校については「理科は暗記科目」という発想を捨て、思考力を身につける学習に切り替える必要があります。 とはいっても、基本的な知識をないがしろにはできませんので、「生物と環境」「地球と宇宙」についてはまずはテキストを使って、基本的な知識をまんべんなく身につけましょう。 その上で動植物を育てたり、天体や気象の観測をしてノートを作るなど、動植物や自然と直接触れ合い、探究心を養ってください。 「物質とエネルギー」についてはやはり難易度の高い計算問題の攻略が鍵となります。 算数をないがしろにしないことはもちろんのこと、水溶液の濃度や力のつりあいなどの計算問題の典型的なパターンを理解しましょう。 その上で、演習問題を繰り返し練習し、ミスがなくなるまでやりこんでください。 時間設定についてはやや厳しめに設定し、時間の効率的な使い方についても普段の学習から慣れさせていきましょう。 また、普段から科学ニュースに敏感になり、新聞、雑誌、テレビなどで取り上げられてるときには関心を持ってみてください。 抽象思考や論理的な思考は一朝一夕の対策では身につきません。 普段から、理科について興味を持ち、気になったことを深く掘り下げていく探究心を持つようにしてください。
(合格点目安 1回目50-60%、2回目50-60%)社会 〈時間:45分、 満点:80点、 難易度:A-B〉
海城中学校の社会は、試験時間45分に対し(満点は80点)、設問数は10問前後と一見すると楽に思えますが、問題自体の難易度が高く、また解答形式は選択式と記述式がおよそ半々で、記述については100字から200字程度の論述問題も含まれるため、実際には厳しい時間設定でしょう。 問題形式については一つのテーマをもとに、写真やグラフ、地図などを見て、「地理」「歴史」「公民」について問われる総合問題形式となっています。 とりあげられるテーマについてはとてもユニークなので、ここ数年のテーマをピックアップしてみます。 ◎平成21年第1回:日本とトルコとの友好を深めた二つの出来事をもとに、外交について考えさせるもの。 ◎平成21年第2回:東京ブランドの食品を取り上げ、自給率や地産地消など食について考えさせるもの。 ◎平成20年第1回:ゲゲゲの鬼太郎に代表される妖怪を中心に、人と自然とのかかわりについて考えさせるもの。 以上のようにとってもバリエーションに富んでおり、丸暗記の学習ではなく、思考力が問われる問題となっています。
海城の社会のように総合問題形式で出される学校の場合、丸暗記の学習は通用しません! まずは各分野を一通り学習し、基本的なことがらをしっかり覚え、その上でそれぞれのことがらの背景や原因、結果、関連性などを理解し、掘り下げていく学習を行い、総合問題に対応していく力を養いましょう。 「地理」では、白地図・グラフ・統計資料などを利用し、まずは地域別に地勢と気候をおさえ、その後産業などを学習していきましょう。 実際に作業をすることによって記憶の定着率は変わってきます。 「歴史」では、「いつ、どこで、誰が、どうして、何をして、どうなったか」をポイントに、歴史上の出来事の背景や原因、結果、歴史上の人物との関連性などをおさえていってください。 自分で年表を作ったり、歴史小説(マンガでも構いません)を読むのも効果的でしょう。 「公民」では、普段からニュースや新聞、雑誌などに親しみ、時事問題に関心を持ち、それぞれのことがらについて自分の考えをまとめておきましょう。 また時事問題のテキストを一冊購入し、活用するのも有効な手段の一つです。 以上のようなポイントを押さえながら、考える力を養えるかどうかが本校の社会攻略の鍵となります。
(合格点目安 1回目55-60%、2回目55-60%)


